2019-20シーズンでビッグサプライズとなっている、我らがシェフィールド・ユナイテッド。…ですが、去年まではチームすら知らないプレミアファンも多かったはず。ということで、2011シーズン?くらいから追っているブレーズジャパン(@bladesjapan)の中の人がブレーズの魅力について存分に語っていきます。
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チーム概要
Sheffield United(シェフィールド・ユナイテッド)
“ユナイテッド”を冠するチームの中で、世界最古のクラブです。
【愛称】Blades(ブレーズ)
愛称の”ブレーズ”はナイフなど食器の生産が有名なのが由来とのことです。
【スタジアム】ブラモール・レーン
1855年に着工され、現在プロサッカーが開催されているサッカースタジアムの中でも最古と言われています。収容人数は32,125人、ピッチサイズはおよそ101m×67mとされています。世界基準が105m×68mなので、やや狭めと言えるでしょう。
よく使われる表記は「BDTBL」。「美しいダウンタウンにあるブラモール・レーン」の略語らしいです。ハッシュタグでもよく見かけますね。夜のライトアップもとても素敵です。
Beautiful Downtown Bramall Lane 💫#SHUMCI 🔜 pic.twitter.com/2iKRw1MI5L
— Sheffield United (@SheffieldUnited) January 21, 2020
【監督】クリスワイルダー
【ライバル】シェフィールド・ウェンズデー(2部)
【ダービー名】スティール・シティ・ダービー
シェフィールドは「鉄鋼(スティール)の町」として栄えたことから、この名がつけられました。
【その他のライバルチーム】
☆ウェストヨークシャー州、サウスヨークシャー州の相手がメインです。
・リーズ・ユナイテッド
・ドンカスター・ローヴァーズ
・バーンズリー
・ロザラム・ユナイテッド
☆その他ヨークシャーの相手
・ハル・シティ
・ブラッドフォード・シティ
・ハダースフィールド・タウン
☆その他ライバル関係にある相手
・ノッティンガム・フォレスト
☆テベス騒動によりライバル
・ウェストハム・ユナイテッド
(補足:テベス騒動)
2006-07シーズンの出来事。最終節開始前はブレーズ、ハマーズともに勝点38だったものの、マンチェスター・ユナイテッドに勝利したハマーズが降格権を脱出し、ブレーズが降格することになった事件。テベス、マスチェラーノを規約違反で獲得したハマーズに対してブレーズ、フラムは勝ち点剥奪を要求するも、棄却されてブレーズは降格することに。ここからリーグ1に落ちるまで経験したブレーズサポーターにとっては憎しみの強い相手と言えるだろう。
【チームキャプテン】ビリー・シャープ
【副キャプテン】オリヴァー・ノーウッド
その他、選手情報はこちらのページから!
【クラブ公式サイト】
グッズもこちらから購入できますよ✨
【クラブ公式Twitter】
【クラブ公式Instagram】
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【チャント】
Greasy Chip Buttyというチャントが一番有名かもしれません。
詳しくは下記の記事にまとめています♪
「シェフィールド」は禁句です。

我がブレーズですが、呼び方が間違っている…というか、間違ったものしか基本見かけないため、ここに大きく記載しておきます。参考にしていただければ幸いです。
“シェフィールド”
一番よくない略し方ですね。シェフィールドFCという世界最古のサッカークラブがあるため、そちらと混同してしまうので避けるべきです。
(DAZNによるベン・メイブリーさんの特集でも取り上げてられていましたね。日本語実況も直りますように…)
えっと…あと、、何曜日かは忘れましたが、チャンピオンシップにシェフィールドと名のつくチームがあったような気がするよーな、、そのチームは昇格はまだまだしなそうなので当分はダービーが見られませんねえ。。。
“ブレイズ”
日本語ではこちら表記が基本とされており、当方も使用しておりました…が、現地的には「ブレーズ」の方が近そうなため、今後はこちらで統一できれば、と!
ブレイズだと、「煮る」という意味になってしまいます。ということで、剣(ブレイド)の方が近いかと思います。
(@9oUKD9L35VbjbyGさん、情報ありがとうございます…!)
ベルゲのシェフィールド移籍に食いついたフットボールファンやメディアのみなさん…是非このチームは「ブレイズ」ではなく「ブレーズ」と呼んでください。
— ⚔UP THE BLADES JAPAN🇯🇵 (@9oUKD9L35VbjbyG) January 31, 2020
エンブレムに書かれている剣は「blade」です。「braise」では「煮る」という料理方法になります…笑
最低予算のチームが誇る最高の戦術を語り尽くす
4年前までは3部にいたブレーズですが、シーズン開始前のデータによると、全選手の市場価格の合計がプレミア全クラブで最低だとか。その中でも善戦を繰り広げられる要因はソリッドなチームを作り上げられている点にあると思います。
話題の”CBオーバーラップ”
各サッカーメディアも取り上げているブレーズの戦術といえば、センターバックのオーバーラップでしょう。
Here’s a photo of a brick wall. pic.twitter.com/TAwrhzU13H
— Sheffield United (@SheffieldUnited) December 14, 2019
ブレーズの基本戦術は3-5-2です。このフォーメーションで右CBのバシャム、左CBのオコンネルがサイドを爆走します。SBやセンターハーフを追い越すことも日常茶飯事。また、CBがオーバーラップする際はWBを務めるスティーブンス、ボルドックがインナーラップをすることも多いです。
これは、個人的な感覚ですが、どちらかというと、左サイドバックのオコネルの方がサイドにポジションを取ることが多いように思えます。それに対し、バシャムは中でクロスのターゲットとなるシーンも見かけます。
見分けるポイントとしては…
・バシャムは細身高身長でドリブルの持ち運びが鋭い
・オコンネルはゴリゴリ系でパスがうまい
この相反する感じが特徴でしょうか。
センターバックのオーバーラップに伴い、よく語られるリスクヘッジとしては、片方のサイドが攻撃を仕掛けている時、もう片方のサイドは中央よりにポジションを取り、枚数をカバーしていることが多いというものです。詳しくは下の「守備時」にまとめてあるので、そちらも合わせて読んでいただけると幸いです。
ビルドアップの基本
こちらは主に2パターンです。
・CBやノーウッドからつなぐ
・GKであるディーン・ヘンダーソンのロングキック
ビルドアップでキーとなるのが、ディフェンシブミッドフィールダーのノーウッド、そしてCBの中央に位置するイーガンです。彼らの持ち味はロングパスによるサイドへの展開です。特にノーウッドはワンステップで逆サイドまで振ることができ、その精度はピルロやシャビ・アロンソを彷彿させるプレーヤーだと思っています。
™️ Ollie Norwood. pic.twitter.com/LpQble0gV8
— Sheffield United (@SheffieldUnited) October 28, 2019
このように、サイドが崩せなかったら無理をせずボールを戻し、ノーウッドを起点に逆サイドで攻撃を展開し直すことも多いです。事実、ノーウッドが持った瞬間にウイングバックに位置するスティーブンス、ボルドックはサイドに広くポジションを取ることがほとんどです。ここがブレーズのスイッチになります。
もちろん、敵チームもそれはわかっているのでしょう。ノーウッドに激しいマークをつけるチームも多くなっています。そのときに活躍するのが、CBのイーガン。彼もCBながら高精度のロングパスを放つことができます。ダメだったら後ろまで戻し、数的優位を作れるように展開し直す…これがブレーズのビルドアップの基礎です。
また、可能な限りパスを回してつなぐことを好みますが、相手のプレスが早い場合はセーフティにGKへ戻すことも多いです。キーパーのディーン・ヘンダーソンはセービングに能力を全振りしているので、足下の技術が高くない…というより期待ができません。なので、力任せに思いっきりロングキックを蹴り、FWがボールを競り合うことがほとんどです。
vsトッテナム戦のつなぎです。右CBのバシャムの位置に注目です。
Incredible football. 23 passes. Goal.
— Sheffield United (@SheffieldUnited) November 9, 2019
The Sheffield United way 👏 pic.twitter.com/LrTP0ERlj0
数的優位を作り出す
ブレーズの攻撃は
・サイドで数的優位を作り出す
・センターハーフ、FWがドリブル持ち上がり、厚みを作る
・ムセ頼りのフィジカル勝負
の3種類がメインとなります。
「個が弱い」と揶揄(やゆ)されますが、それに伴ってハードワークで数的優位な状況を作り出すことが先述のベースになっています。その代表例がセンターバックの上がりによってサイドで有利な状況を作り、クロスから得点を狙う形でしょう。深くまで切り込むシーンも多く、マイナスのクロスに合わせてセンターハーフが飛び込むシーンも頻繁に見られるのも特徴です。事実、今シーズンはセンターハーフのジョン・フレック(*5ゴール)、ランストゥラム(*4ゴール)とMFの得点も多く、フレックにいたってはリス・ムセと並び、今シーズンのトップスコアラーでもあります。
(*2020/3/6(金)時点)
ジョン・フレックのゴール集です🏴
Fleck, John Fleck 4️⃣ 🏴 💫 💥pic.twitter.com/vv72JvIPYC
— Sheffield United Türkiye (@SUFCTurk) February 26, 2020
また、ゴール前の状況が有利と判断すれば早い段階で放り込むこともしばしば。特にここは左サイドのオコンネル、スティーブンスがアーリークロスの精度が高いので、注目ポイントですね。
そして、ブレーズはウイングバック、もしくは上がってきたCBがサイドに広くポジションを取るため、中央を中盤3枚が埋める形になることが多いです。ディフェンダーのライン間もポゼッション時はかなり広い距離を取るため、ノーウッドやマクゴールドリックがポジションを下げて組み立てを手伝うことが必然的に増えてきます。
この崩しの際に注目するべきはFWのマクゴールドリックのプレー。彼はFWの選手ですが、ポジションが非常に流動的です。サイドに流れて優位な状況を作るときもあれば、中盤の中央まで降りてきてボールを持ち運ぶこともでき、さらには繋ぎ手になることができるプレーヤーです。体幹が強く、器用なので彼の展開からゴールが決まるシーンも多いです。
Is this Sheffield United or Ajax '95? 😍pic.twitter.com/KMZ0p9N7kX
— Goal (@goal) November 2, 2019
この左サイドに抜けるパスを出したのがマクゴールドリック。彼がいることによって、センターハーフも勢いよく飛び出すことができます。
守備は5-3-2(5-3-1-1)がベース。
守備時の原則は下記の2点が中心です。
・速攻を止める
・陣形を整え、相手の攻撃を迎撃する
(結城さんの「迎撃型」という表現が素敵だったので、引用させていただきました)
シェフィールドの5バックは、どちらかといえば迎撃型に近い。アーセナルはそれに気づいていたのか、ラカゼットの釣り出しから4バックの間へ。マルティネッリもペペも掴めておらず、完全に弱点を突かれた。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) January 18, 2020
まずは、陣形を整えるためにも速攻を止めにかかります。言葉を選ばずに言うならば、「引き倒してでも止める」。古き良きイングランドらしさだと思っていますが、これによって「ブレーズはプレーが荒いから嫌い」なんてTwitterでつぶやかれるのかもしれませんね。笑
ブレーズの攻撃の特徴で挙げたセンターバックのオーバーラップですが、前述の通り、攻撃を展開している逆サイドでは中に絞って被カウンター時の準備をしています。基本、クロスかフィニッシュまで行くことを前提としているため、速攻を受ける回数は少ないですが、スピードで劣る選手の多いブレーズはロングカウンターが致命的な弱点になるので、入念にケアを行っているのでしょう。
このとき、特に目立った活躍するのはディフェンシブミッドフィルダーに位置するノーウッドです。彼が身を挺してカバーリングするため、大抵の場合は相手の攻撃を遅れさせることができます。ファウル数も少なくはないですが、こういった泥臭いプレーでもチームに貢献できるのは、副キャプテンの証なのかもしれません。
また、このポジションの控えであるベシッチに関しても身を挺して相手を止めるプレーを得意としています。スライディングタックルを仕掛けがちで、だいぶ荒いのはネックですが…。笑
Mo Bešić loves a tackle 👊💥#SUFC 🔴 pic.twitter.com/7q4DSlkubY
— Sheffield United (@SheffieldUnited) August 28, 2019
相手の速攻を食い止める間に他の選手は帰陣し、5–3-2の陣形を作っていきます。マクゴールドリックが前線で起用されている場合はこれが5-3-1-1や5-4-1のように可変することもしばしば。本当に器用なプレーヤーです…。
ブレーズの守備はボールを持った敵プレーヤーに対し、マークにつきます。「迎撃型」たる理由ですね。アタッキングサードを奪取するエリアに設定していると見ており、プレスを仕掛ける位置に達しないまではフリーで持たせることもよく見られます。いわゆるリトリート戦術ですね。
バイタルエリアに関しては中盤の3枚+イーガンが閉めており、ミドルレンジからのシュートですら困難です。ブレーズの守備を中央から崩すのはトップチームといえど、至難の技でしょう。ライン間を非常にコンパクトに保ちながら、中を閉める動きを見せます。
そのため、多くのチームはサイドに流れて攻撃を展開しようとします。ブレーズとしては攻撃は外に切っていきながらも、サイド深い位置まで攻め込まれると、CBとWBもしくは中盤の選手のうち2枚で囲みにいくことが多いです。
これは攻守において言えることですが、ユニットとして
・バシャム、ボルドック、ランストゥラム
・オコンネル、フレック、スティーブンス
この3人が互いをカバーしながら距離感を保ちつつプレーをし続けます。特に守備においては外へ2枚がつくと、もう1人は中で絞りながらカバーできるポジションを取っています。
そもそも個の強さに対して数的優位で対抗することを前提に作られているのがブレーズの戦術です。これが、大手メディアが話す(書く)チームとしてのまとまりなのでしょう。
今後の伸びしろ
・期待の若手が加入…!
2019年9月にサウジのアブドラ王子と提携がされた影響もあってか、2020年の1月は活発な移籍ウインドウだったと言えるでしょう。
H.R.H. Prince Abdullah, Chris Wilder, H.H. Prince Musa'ad and Stephen Bettis' full press conference now available to SUTV subscribers 🎥
— Sheffield United (@SheffieldUnited) September 19, 2019
Fan's Forum audio recording available at 11pm on https://t.co/JayUd5Svhm. 🔊#SUFC 🔴
☆今冬の加入選手一覧☆
S̶e̶l̶l̶i̶n̶g̶ ̶c̶l̶u̶b̶. Progressive club. pic.twitter.com/sSIatYlILE
— Sheffield United (@SheffieldUnited) January 31, 2020
ロドウェル(左)
レトソス(右)
ジャック・ロビンソン(左から2番目)
ジウコヴィッチ(右から2番目)
ベルゲ(手前中央)
特にベルゲの獲得はブレーズサポーターだけでなく、サッカー界を驚かせるニュースだったのではないでしょうか。
A full 20 minute ‘Behind the Blades’ Sander Berge signing day special 🎥
— Sheffield United (@SheffieldUnited) February 4, 2020
Coming tonight at 7pm 🇳🇴 pic.twitter.com/GlugBZt6U1
・新たな可変ポジションの取り組み
昨年11月頃から見せている新たな可変ポジションシステム。今の流動的なポジションがさらに変化し、スティーブンスが中央、ひいては右サイドまで顔を出すシーンも見えています。加えて、後半ビハインド時にバシャムを下げ、4-4-2(4-2-3-1)のシステムも導入していました。
(後者のシステムに関してはトップ下(シャドー)の位置を務めていたカラム・ロビンソンがレンタルで移籍してしまったため、今後どうなるかは注目です)
ムセの起用
Magnificent 7️⃣
— Premier League (@premierleague) December 6, 2019
Time to vote for your @EASPORTSFIFA November Player of the Month ➡️ https://t.co/XLfD8mNjP0#PLAwards pic.twitter.com/saXLTidbcM
爆発的な加速力とトップスピード、そして強靭なフィジカルで11月のベストイレブンにも選ばれたリス・ムセ。ですが、ワイルダー監督は彼がまだフル出場できるとは考えていないようで、ジョーカーとしての扱いを好んでいる様子です。まだ連携面でも向上が見込め、彼のポテンシャルは特大です。彼に期待を抱いているサポーターも多いでしょう。
あとがき
つらつらと書きましたが、そもそもは4年前は3部にいたチームです。正直、今シーズンは「出来過ぎ」と言っていいでしょう。欧州出場権とはよく話されていますが、それよりもまずは残留、そしてトップ10でフィニッシュできることに多くの喜びを感じています。
何より選手、サポーターの雰囲気、戦術…すべてが見ていて楽しいチームがシェフィールド・ユナイテッドです。この記事をきっかけにブレーズの試合を見てくれる人が増えてくれるといいな…と思います。
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